自由に使えるAFF2eシナリオ集

作成者：あんじんねこ

ヒーロー達は旅の途中で村とも呼べない小さな集落に食料と一晩の宿を求めて立ち寄ります。
住民たちはとても暗い顔をしていて明らかに疲れ切っています。
ささやかな食事を振る舞ってくれた集落の長に話を伺うと、数ヶ月前からこの集落はオークの集団にたびたび荒らされているとのことです。
そして数日前、オークの一団が訪れ、残っている食料の全てと奴隷となる村人を数人差し出せと要求してきました。
要求が飲まれない場合は、最後の楽しみに集落を存分に破壊し尽くし皆殺しにすると宣言します。

集落の長は頭を下げ、ヒーロー達にどうか自分たちを救ってほしいと懇願します。
集落はオーク達の襲撃を何度も受け、金目のものとなるものはほとんど残っていません。
かき集めたお金は、金貨が１０枚と、銀貨が５０枚程度でした。

「わ、私が！」
家の奥から若い娘が飛び出してきます。
地面に伏して、頭を地面につけます。
「私があなた達に仕えます。街についたら売ってしまったって構いません！それでこの村を救って下さい！」
集落の長の娘がその身を差し出して、ヒーロー達に助力を頼みます。

オークの集団について、集落の人が知っていることを教えてくれます。
オーク達は部族の証か皆、牛がつけるような鼻輪をしていて、集落の人々は『鼻輪族』と呼んで恐れています。
『鼻輪族』は三人の大オークに率いられるとのことです。。
大オーク達はそれぞれ特徴的な武器を使っており、一人は蛇矛、一人はモーニングスター、一人は剣の二刀流です。
尚、半ヒーローであり、通常のオークより知性が高く、＜タレント＞を持っています。
オークは太陽光が苦手なので、襲撃は必ず夜にあります。昼間は太陽を避けて寝ているか隠れているはずです。

鼻輪族が根城にしているのは、森の奥の丘の上にある古代の砦の跡です。
半分以上は崩れていて、壁と中にある一部の建物しか残っていないとの噂です。
砦は隠れ砦と呼ばれており、平野側から見ると森にうまく隠れて見えません。
しかし、砦につながる石畳の道がわずかに残っているので、たどっていく事ができます。

砦への道は、長い年月の間に森に侵食されていますが、ヒーロー達がたどっていくには十分でした。

砦への道の途中には罠が仕掛けられています。
運試しをします。
運試しに失敗した場合、罠にひっかかってしまいます。
足元で、ぱきっと小枝が折れた音がしたかと思うと、頭上でばさばさっと葉と枝がが擦れ合う音がします！
足首に輪っかに巻いた荒縄が絡みついてきつく縛り、そのまま上へと吊り上げようとします。
作動した罠を避けるには、回避の判定か運試しに成功しなければなりません。

森が途切れ少し丘を登ると、石を積み上げられた砦の壁が見えます。
門の見張り塔の上にオークがいて、頭がかすかに見えます。
首から下は壁に隠れています。

飛び道具、遠距離で効果のある魔法を使って無力化出来るかもしれません。
オークは日光と眠気で注意力が散漫になっており、不意打ちは自動で成功します。
オークの見張り
技術点５、体力点４

時間が昼間であれば、表に出ているオークはいません。

入って右側に１階建ての不格好な木の小屋があります。
屋根の一部に煙突のようなものがあり、煙が登っています。

左側にも小屋があり、こちらは少し大きめです。

正面は砦の本丸ですが、ほとんど崩れて中央の塔だけ残っています。
崩れた壁を抜けて先に出入り口が見えます。

炊事場です。ゴミが散乱しています。
やる気なく食事の仕込みをしているオークが２人います。
覗き込むとすぐに気がついて、巨大な綿棒を手に取ります。

オークの料理人（兄）と（弟）
技術点６　体力点５
武器　FD[1,2,2,2,3,3,4]　巨大綿棒　
防具　FD[0,0,0,1,1,1,2]-1　革鎧の腰だけ＋エプロン

一体何を料理しようとしていたのか、しなびた野菜、カビたパン、熟しすぎて腐った果物などがたくさんあります。
まじない＜熟成＞を使えば見た目は悪いですが食べて回復できます。

ディレクター判断により、捕まっている奴隷がいます。
砦やオーク達の情報を教えてくれるでしょう。
地位のある人物であれば連れ帰ることで報酬を得られるかもしれません。

かまどの隙間に小箱が隠されています。
オークの料理人の秘密の宝箱のようです。鍵がかかっています。
中には真珠が１個と金の指輪が入っています。
真珠は１０ＧＰ、金の指輪は１５ＧＰです。

オーク達の寝床です。ゴミが散乱していてゴミの中にオークが５人います。
昼まで寝ている場合は、運試しをして誰かが失敗すると目を覚まします。


ゴミまみれの汚いオーク達
技術点５　体力点４
武器　FD[2,3,3,3,3,4,5,]-1　汚いボロ剣
防具　FD[0,0,0,1,1,1,2]-1　汚いつぎはぎの革鎧

とにかくゴミだらけで臭く汚いので、部屋を探す気にもなれません。一番の宝物はこの部屋から出ることです。

奥は砦の本体ですがほとんど崩れていて残っているのは塔だけです。
所々崩れていますが、人が出入りできるような場所は正面の一つしかありません。

床は食べ物や壊れた道具などで床がほとんど見えないほどごみに覆い尽くされています。
奥に２階へつながるであろう石の階段があります。

運試しをして失敗すると　尖ったなにかか足をひねらせるかでダメージを１点受けます。

階段をあがると１階よりはましですが、ここもごみと壊れたものに溢れています。
中はひときわ真っ暗です。
壁と天井は半ば崩れているのですが、天井の崩れた部分は木の板で覆われ、壁は厚手の布でカーテンのように塞いで、日光が部屋に入らないようにしています。
２匹の大オークが待ち構えています。
「村の奴らの差し金かぁ？　なかなか楽しませてくれそうじゃねえかぁ？（オーク語）」
「久しぶりのやわらけぇ肉だぁ！うひょー！（オーク語）」

モーニングスター使いの大オーク
技術点７、体力点８
タレント：強碗（ダメージロール＋１）
FD[1,2,2,3,4,4,5]+1　モーニングスター
FD[0,0,1,1,2,2,3]　つぎはぎの分厚い革鎧
二刀流の大オーク
技術点７、体力点８
タレント：両手利き
FD[2,3,3,3,3,4,5]　右剣
FD[2,3,3,3,3,4,5]　左剣
FD[0,0,1,1,2,2,3]　つぎはぎの分厚い革鎧

槍使いのオークが屋上に隠れていて、天井の崩れたところをふさいでいる木の板の隙間から様子を伺っています。
第２ラウンドで上から襲いかかってきます。
感知に成功すると対応することが出来ます。失敗するといないものとして行動することになります。
＜罠＞か＜回避＞で避けることが出来ます。
「男どもは肉が硬そうだなぁ、柔らかくなるまで、ぶちのめしてやるからよ！（オーク語）」
蛇矛使いの大オーク
技術点７、体力点８
タレント：博識（ものしり）
FD[2,2,3,3,3,4,5]　蛇矛
FD[0,0,1,1,2,2,3]　つぎはぎの分厚い革鎧　

時間が昼の場合、壁を崩すか分厚くかけているカーテンを外すことができれば、日光を中に入れることが出来ます。
日光がさすとオーク達は技術点−１か―２になります（ディレクター判断）

３人の大オークを倒すと部屋の奥に頑丈そうな箱が見つかります。
二刀流の大オークの持ち物を探るとカギが見つかります。
箱を開けると、ガラクタも混じっていますが、金貨、銀貨、小さな宝石の欠片が合計で１００ＧＰ分入っていました。

集落にもどり脅威は去ったことを伝えると、集落の長は安堵の嬉し泣きをします。

娘はヒーロー達の前に立ち、頭を下げます。
「…約束ですから。私、旦那様達についていきます。」
パーティのＮＰＣとして加えてください

娘はヒーローの誰かの胸にがばっと飛び込んで、ぎゅっと抱きしめます。
涙を流し「ありがとうございます、ありがとうございます」と繰り返します。

ヒーロー達は開放した集落を後にし旅を続けます。
経験点は２５点です。